人工関節(股関節)
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人工股関節置換術の特長

人工股関節置換術は、近年、その技術も飛躍的に進歩し、日本国内で年間4万件以上の手術が行われる一般的な治療法になっています。その一番の目的は、関節の痛みの除去です。さらに、ほとんど歩けなかった方が歩けるようになったり、外出困難だった方が旅行できるようになったりと、生活の質(QOL)の大きな改善が望めることもメリットです。

従来と比べてより小さい切開で手術が可能に

最近では、技術の進化により、従来に比べてより小さな切開で手術を行う最小侵襲手術法(MIS=さいしょうしんしゅうしゅじゅつほう)が可能になりました。この手術法の場合、皮膚はもちろん筋肉や靭帯(じんたい)の損傷を最小に抑えることができるため、手術後の回復が早まり、早期の歩行、社会復帰が望めます。しかし、最少侵襲手術法による人工股関節手術は、全ての方に対応できるものではなく、体格や股関節の損傷の度合いによっても異なります。また、回復期間には個人差がありますので、担当医師とよく相談しましょう。


歩行時の横ゆれも改善が期待できます

股関節疾患が原因で、左右の脚の長さが異なってしまうこともあります。その場合、歩行時に大きく横にゆれたり、片脚を引きずって歩くなどの歩行障害が起こることもあります。人工股関節手術では、このような歩行障害の改善も期待できます。

【股関節手術3日後の様子】

(回復には個人差があります。)

技術開発による耐久性の向上

手術後、15年経った方のうち、96%(*)以上の人工股関節は変わらず機能しています。さらに、医療用の生体適合性の高いチタン、超高分子ポリエチレン素材の開発などにより、幅広い年齢層に対応できるようになってきています。

※人工関節の耐用年数は個人の体重、年齢、活動レベルやその他の要因によって異なります。
* "Uncemented total hip arthroplasty for primary osteoarthritis in young patients A mid- to long-term follow-up study from the Finnish Arthroplasty Register", Antti Eskelinen1,6, Ville Remes2, Ilkka Helenius3, Pekka Pulkkinen4, Juha Nevalainen and Pekka Paavolainen1, Acta Orthopaedica 2006; 77 (1): 57–70