人工関節手術にかかる費用や、使える医療保険や福祉制度など、気になる『お金』のことについて、わかりやすくご紹介します。
登場人物紹介 | |
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永井 紀美子(ながいきみこ)さん 40歳。母(永井喜代さん)が人工膝関節手術を受けることになり、その費用や医療控除などについていろいろと調べている。 |
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大吉 元気(だいきちげんき)先生 都内の某病院に医療事務(主に窓口で患者さんの医療費計算)として勤務。休日は、ボランティアで医療費に関する相談を受けている。 |
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永井 喜代(ながいきよ)さん 66歳。永井紀美子さんの母。行動的な性格。人工関節手術を受けた後は、世界遺産を巡る旅行に行くことが夢。お金のことは紀美子さんにまかせている。 |
国民健康保険などの政府管掌健康保険や船員保険に加入している本人またはその扶養者の方が病気やけがをした場合、医療費の負担割合は下表のようになります。
つまり、病院での診察や手術、投薬、入院などにかかる医療費は、その1~3割にあたる費用を自己負担すればよいのです。
年齢・条件別の医療費負担割合
年齢区別 | 所得や医療保険の区分 | 医療負担割合 |
75歳以上 (長寿医療制度) |
現役並み所得 | 3割 |
一般 | 1割 | |
70歳以上 75歳未満 |
一定以上所得者 | 3割 |
一般 | 1割 | |
小学生から70歳未満 | 被保険者・被扶養者 | 3割 |
小学生から入学するまで | 被保険者 | 2割 |
(2009年6月現在)
医療費が高額となる場合、家計の負担を軽減できるよう、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度が適用されます。
例えば、70歳未満の一般的な方の場合、1ヶ月間の医療費*が 267,000円(国民健康保険などの医療保険による自己負担分が80,100円)以上になるとき、高額療養費が適用されます(通常の「3割負担」よりも負担額が少なくて済む)。
また、70歳以上の方は、長寿医療制度により、窓口での負担がはじめから自己負担限度額となります
*同じ月の1ヶ月間
1ヶ月の自己負担額がこの額を超えた時、高額療養費が支給されます
70歳未満 | 70歳以上の高齢受給者 | ||
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*上位所得者 | 150,000円+{(医療費 -500,000円)×1%} |
現役並み 所得者 |
80,100円+{(医療費 -267,000円)×1%} |
一般 | 80,100円+{(医療費 -267,000円)×1%} |
一般 | 44,400円 |
*低所得者 | 35,400円 | *低所得者[2] | 24,600円 |
*低所得者[3] | 15,000円 |
*上位所得者・・・標準報酬月額が53万円以上
*低所得者・・・生活保護の被保険者や市町村民非課税世帯
*低所得者[2]・・・市町村民税非課税世帯など
*低所得者[1]・・・市町村民税非課税世帯でかつ所得が一定基準未満
(2009年6月現在)
*高額療養費参考サイト:オールアバウトジャパン(心配な医療費。自己負担額は ○○円まで!)
*限度額適用認定証
70歳未満の方でも事前に「限度額適用認定証」を申請して発行してもらっておけば、病院での支払い時にこれを提示して、還付分を立て替えることなく、窓口での支払いが最初から自己負担限度額で済みます。70歳未満の一般的な方の場合、同月内(1ヶ月)の医療費が200万円かかったとしても、実質的な自己負担額は97,430円で済みます。
保険の適用がされない医療費としては、以下のものがあてはまります。
■差額ベッド代(個室代など)
■入院時食事代の自己負担分 など
*差額ベット代参考サイト:オールアバウトジャパン(4人部屋でも差額ベッド代が必要って、ホント?差額ベッド代はいくら かかる?)